BMW528 メンテ記録 13

トランクアクチュエータ故障、修理

ある日トランクを開けようとしたところ「ガガガガ」と変な音がしてトランクが開きません。
”とうとう来たか”
今まで特に不便を感じるような故障はありませんでしたが、やはり10年を超えるとどこか
悪くなってきますよね。

E39の故障箇所としては代表的なものみたいですが部品代が1万円を超えるそうなので
イチかバチか「修理」にトライしてみました。
 まずはトランクに鍵穴にキーを差し込み左へ
 90°程回すと機械的にロックが解除され
 トランクが開きます。

 写真の矢印のクリップをはずします。
 こんなツールで真中をこじって浮かせると
 簡単に取れます。
 こんなクリップです。
 トランク内側の手をかけるところに蓋があり
 それをはずしビスを取ります。

 後はクリップで引っかかっているだけなので
 引っ張ってカバーをはずします。
 トランクのキャッチの部分はトルクスのビス
 で3カ所止まっているだけでしたのでこれを
 はずします。
 鍵穴からのリンクの棒がくっついているので
 上手くねじってリンクをはずします。

 続いてコネクタもはずします。
 取り外したキャッチとアクチュエータです。

 アクチュエータはビス2本で止まっている
 だけです。
 写真がピンぼけで見えずらいですが、こんな
 部品番号のパーツです。
 (汚い足が写っていてすみません)
 蓋を開けるとモーターにギア、ゼンマイの
 ようなスプリングにマイクロスイッチが入って
 いるだけです。
 写真中央のギアの支柱?が折れています。
 グリスだらけでヌルヌルするのでパーツ
 クリーナーをたっぷりかけてきれいに洗浄
 しました。

 プラスチックにかけると溶けるような気が
 しましたがかけた後だったので気にしない
 ことにしました。

 一応パーツは何ともありませんでした(汗)
 洗浄後のパーツ達
 元歯科技工士だったので細かい作業をする
 のは比較的得意です。

 歯科技工士の道具は車いじりに持ってこいって
 感じのものを結構使います。

 写真は形成器(針の曲がったようなやつ)を
 火であぶって折れたギアを溶かして借り止め
 しているところです。
 その後任意に刻みを入れ最後に「即時重合
 レジン」というすぐに固まるプラスチックで補強
 し形を整えて完成です。

 後はばらしたときの逆の手順で組み上げて
 完成です。

 ※即時重合レジンとはポリマー(粉)とモノマー
  (液)を混ぜることにより硬化する歯科用の
  プラスチックです。
  入れ歯のプラスチックもこれで修理したり
  します。

 ギアにはトランクのキャッチを開かせるだけのトルクがかかるので多少心配ですが、人間の
 咬合圧に耐えるレジンなのでそこそこ持ってくれるだろうと思います。

 組み付け後数回トランクを開けてみましたが正常に動作していたのでとりあえず良しとしました。
 今回は応急処置なので、次回の破損に備えてお金を貯めなければなりません。(T_T)
今回の費用
即時重合レジン 持っていたのでタダ